公式 鳳・テブナンの定理
おおとり?テブナンの定理?
ほう・テブナンの定理と読みます。
まぁ、読み方が問われることは無いので覚え易い呼び方でよいかと。
今日はノートに
鳳・テブナンの定理 $I=\dfrac{E_{0}}{R_{0}+R}[A]$
等価回路の端子電圧値:$E_{0}[V]$ 等価回路の合成抵抗値:$R_{0}$
と書きましょう。
鳳・テブナンの定理とは
図1. ブリッジ回路例
図1.のような複雑な回路は
図2. 図1.の等価回路図
図2.のような、目的の抵抗とそれ以外の合成抵抗として考えることができます。
これが鳳・テブナンの定理になります。
こうすれば抵抗2本の直列回路なので電圧や電流を簡単に求めることできます。
ちなみに、合成抵抗を求める際には電圧源は短絡して、電流源は開放して求めます。
理論はわからなくないけど、使い方とかがさっぱりわからないよ。
大丈夫です。この定理びっくりするぐらい「ブリッジ回路」にしか出てこないです。
ブリッジ回路でない場合でも次の例題から使い方をマスターしてもらえれば使い方はバッチリでしょう。
例題 ブリッジ回路
図3.のようなブリッジ回路がある。
抵抗$R_{1}=3[Ω]、R_{2}=12[Ω]、R_{3}=6[Ω]、R_{4}=4[Ω]、R_{5}=5[Ω]$である。
電源電圧$E=24[V]$のとき、抵抗$R_{5}$に流れる電流$I_{5}[A]$はいくつか。
図3. ブリッジ回路
STEP1 等価回路図を描いてみる
まず、抵抗$R_{5}$を取り出します。
図で書き直すと図4.の通りです。
図4. 図3.の等価回路
点線で囲われた部分の電圧$E_{0}$と抵抗$R_{0}$を求めれば抵抗$R_{5}$との直列回路だけになり、簡単に電流$I_{5}$が求まります。
STEP2 電圧$E_{0}$を求める
電圧$E_{0}$はa-b間の電圧になります。
a-b間の電圧を求めるには、まずa-b間を開放します。
図で表すと図5.通りです。
図5. 鳳・テブナンの定理を用いて電圧$E_{0}$を求める図
そして電圧$E_{0}$は$E_{0}=V_{R2}-V_{R1}=V_{R3}-V_{R4}$で求まります。
aからbまでの電圧は$V_{R1}$は逆方向、$V_{R2}$は順方向、$V_{R3}$も順方向、$V_{R4}$は逆方向なので上のような式になります。
直流回路なのでプラス-マイナスに注意しましょう。
$V_{R1}=E\dfrac{R1}{R1+R3}=24×\dfrac{3}{3+6}=8[V]$
$V_{R2}=E\dfrac{R2}{R2+R4}=24×\dfrac{12}{12+4}=18[V]$
$E_{0}=V_{R2}-V_{R1}=18-8=10[V]$になります。
STEP3 電圧$R_{0}$を求める
合成抵抗を求める際には電圧源は短絡して、電流源は開放して求めます。
電圧源がありますので、そこを短絡すると図6.のようになります。
図6. 鳳・テブナンの定理を用いて抵抗$R_{0}$を求める図
つまり、抵抗$R1$と抵抗$R3$が並列に、抵抗$R2$と抵抗$R4$も並列に、それが直列に繋がった回路が抵抗$R_{o}$になります。
抵抗$R1$と抵抗$R3$の並列合成抵抗 $\dfrac{R1R3}{R1+R3}=\dfrac{3×6}{3+6}=\dfrac{18}{9}=2[Ω]$
抵抗$R2$と抵抗$R4$の並列合成抵抗 $\dfrac{R2R4}{R2+R4}=\dfrac{12×4}{12+4}=\dfrac{48}{16}=3[Ω]$
抵抗$R_{o}=2+3=5[Ω]$
STEP4 電流$I5$を求める
あとは抵抗$R5$との直列回路なのでオームの法則で求まります。
電流$I5=\dfrac{E_{0}}{R_{0}+R5}=\dfrac{10}{5+5}=1[A]$
鳳・テブナンの定理はこのように使います。
今回は、式よりも使い方を覚えることが重要になります。
公式を見て使い方を思い出せるようになれば、鳳・テブナンの定理は完璧です。
今日はここまでになります。お疲れ様です。
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